マイスタイル
この仕事についたのは、小さい頃から化粧品が大好きだったとかいう類の理由ではありません。
VogueUSAのあるファッションストーリーのクリエイティブなビジュアルに衝撃を受けたのが、編集者という仕事を始めたいというきっかけとなり、その時感じたクリエイティブなビジュアルを作ることを楽しみたいという気持ちで、今に至りました。元々ファッションやビューティーに対して垣根ないビジュアルからの興味でしたから、ビューティーを考えるときは、“顔だけでは完結しない”ということがいつもベースにあります。
ビューティーが全てなのではなく、その人のトータルスタイルの一部分に過ぎないということ。ビューティーはファッションとつながることでより美しいし、ライフスタイル、環境と合わさることで、より気持ち良くなる。
こんな調子なので、自分の部屋にも化粧品ばかりがたくさんあるという感じではありません。
マイペース
フリーランスとしてこの仕事をやってきているので、どんどんこの場所で仕事をすることが多くなってきました。日常生活と仕事との境界がほぼなくなってきているといっていいでしょう。
クリエイティブをするときは、その空間が大切だと思っています。
そして今はその場所で寝て、起きて、食べる。
ここは、自分自身という感じ。
だから自分のスタイルで居心地よくすることにこだわります。
好きなものしか置きたくない。
朝この部屋に入る自然光は心地よいし、
カーテンに映し出されるプラントの影も好き。
だけど、もっともっと植物が欲しいな。
香り
自分の願いの全てが得られるものではないですが、
大切にしているものがあります。
それは香り。
いわゆる女性的なお花のような香りより、森やグリーンを感じるウッディーな香りが好き。
小さい時から自然の多いところで育ったからかしら。
いつもキャンドルは焚いています。
それで落ち着くんですね。
今日はPerfumer H(Lyn Harris)のMint teaというキャンドル。ミントの葉、ローズマリー、ラヴェンダーと森の香りが合わさった、静かな香りです。
フレグランスの最近のお気に入りはFREDERIC MALLE。香りはもちろんですが、トラベル用のスプレイ容器のデザインは美しく、持っていても気分が上がるから。
Photos: Kazufumi Shimoyashiki
インタビュー・文 : Yasuo Yoshikawa