伝統も革新も――お茶の多彩な魅力を発信

サロン・ド・テ・ラヴォンド

▼Profile

伊藤孝志 TAKASHI ITO
紅茶専門店「サロン・ド・テ・ラヴォンド」オーナー、(株)ITC 代表取締役社長、ティーマイスター。20代の頃からお茶の世界に進み、自然農法によるお茶の栽培に携わる。自社栽培の茶葉や、独自ルートで買い付けた最高峰のお茶を提供する表参道のティールーム「サロン・ド・テ・ラヴォンド」、銀座SIX内の「ラヴォンド ティールーム」のオーナーを務めるほか、「ALFRED TEA ROOM」のドリンク開発や、広尾のティーラウンジ「茶季」のプロデュースを手がけるなど、お茶の楽しみを広めるべく多方面で活躍中。

サロン・ド・テ・ラヴォンド
住所:東京都渋谷区神宮前4-4-11 根津プレイス表参道 2F
電話番号:03-6876-1784
営業時間:11:00〜19:00
定休日:不定休
公式サイト:http://luvond.net/
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/salondetheluvond/

withコロナの時代、ままならない日常の中でイライラが募り、モヤモヤを抱えている人も多いのでは。そんなとき、リフレッシュのために足を運んでほしい2軒のお茶処をご紹介します。

2軒目は、表参道の「サロン・ド・テ・ラヴォンド」。

世界トップクラスのお茶が楽しめる

表参道駅のほど近く、通称“まい泉通り”にあるビルの2階。重厚な木の扉を開けた先にあるのが、紅茶専門店「サロン・ド・テ・ラヴォンド」。このお店のいちばんの特長は、市場に出回ることのない厳選特級の茶葉を使ったお茶がいただけること。オーナーの伊藤孝志さんは、20代の頃からインドやスリランカ、中国など世界各地の農園に赴き、独自に買い付けルートを開拓。また自らも、農薬や肥料を一切使用しない自然栽培でお茶の生産に携わるなど、お茶のクオリティには絶対の自信があると言います。

アートピースのような茶器で味わう贅沢

こちらのお店には、紅茶をはじめ、中国茶、日本茶、メディカルハーブティーとさまざまな種類のお茶が並び、メニューに載っていないものも含めると、約1700種類もの茶葉を揃えているそう。「いいお茶を適正な価格で、きれいな器でお出しするのがお店の役目」と話す伊藤さん。足を運んでくれたゲストに価値ある時間を過ごしてもらいたいと茶器にもこだわり、紅茶はハンガリー王室御用達のヘレンドのシノワズリシリーズ、中国茶は景徳鎮など、希少価値の高いカップで提供。普段はなかなかお目にかかれない名品で、最高峰のお茶をゆったりと味わうことができるのも楽しみのひとつです。

お茶とともに語らう時間を大切に

最高級のお茶が楽しめるお店と聞くと、ツウが集まるお店なのでは?と身構えてしまうかもしれませんが、「堅苦しく考えず、お茶を飲みながら、友達や知り合いと語り合う時間を楽しみに来てほしい」と伊藤さん。取材当日も、店内には楽しげにお喋りする女性客でいっぱいでした。アクセス便利な好立地に位置しながら、ビルの2階という目立たない場所にある隠れ家感もほどよく、味も見た目も感動のメニューが楽しめるここは、まさに大人のための空間。予約で席が埋まることも多いので、来店前に電話で空き状況を確認するか、事前に予約をしてから行くのがおすすめです。

 

また、最高峰の茶葉を使ったお茶も、見目麗しいアレンジティーも、どちらも味わえる振り幅の広さも、このお店が多くのゲストを惹きつける理由。数あるメニューの中でも人気なのが、旬の果物を使ったアレンジティー。ほかにもメニューには記載がなく、お店のインスタグラムだけに載っているフルーツティーなどもあるので、来店前にチェックするのをお忘れなく。人気店になる火付け役となった「濃厚アイスロイヤルミルク」も絶品です。

お茶のクオリティは高く、お店の敷居は低く

既成概念にとらわれない柔軟な発想で、今まで知らなかったお茶の楽しみを教えてくれる伊藤さん。「理屈も知識も抜きにお茶を楽しんで、『お茶って面白い!』と思ってもらえたら」と話す通り、「サロン・ド・テ・ラヴォンド」は扱う茶葉も茶器もハイグレードなものにこだわる一方、近寄りがたいムードや格式ばったところはなく、なごやかな雰囲気の中で気軽にお茶を楽しむことができます。

 

目まぐるしく過ぎてゆく日々の中、ほんの少しの時間立ち止まって、大切な人と極上のお茶を味わい、くつろぐ――。そんなささやかだけれど、とびきり幸せな時間を過ごすことが、自分を取り戻すきっかけになるのかもしれません。

 

Photos / Interview :  Yasuo Yoshikawa

Text :  Tomomi Suzuki

取材を終えて

After the interview

一日の中でちょっと自分を充電させたいなって思う時、伊藤さんのお茶を思い出します。
最高のお茶って、それだけでその瞬間、幸せな気分にしてくれますもんね。
でも、こだわり方によってはちょっとフォーマルになって緊張感を感じることもあったりして……。
そういう楽しみ方も時にアリだと思いますが、彼のお茶は最高なのに気持ちをなごませてくれるから
「また頑張るぞー!」っていう気分になれるのです。
“美味しいお茶でホッとしたい。”そんな気持ちってお茶本来の持ち味だったよねって改めて感じさせてくれる、そしてそれを最高のお茶とプレゼンテーションで楽しませてくれる伊藤さん。
こんなことを書いていると、またあの香り豊かな冷たいミルクティーを飲みたくなってしまいました。

 

 

吉川康雄