from Japan

いちばん伝えたいことは愛

宝居智子・画家

▼Profile

宝居 智子 TOMOKO HOKYO ARTIST
https://www.tomokohokyo.com
愛と子供(未来)をテーマに、未来を見つめるSparkling eyesの子どもを制作している。
女子美術大学日本画専攻総代卒業「加藤成之記念賞」 受賞

2009 初個展「だって女の子だもん」 / 月光荘(銀座)
2011 Young Japanese Artists2011 / ニューヨークトロント アートフェス / カナダ
2014
   個展「日本と中央アジアを結ぶ新しい日本画 ギャラリーオープン記念」 / ちばぎんひまわりギャラリー
   個展「日本の美」 / カザフスタン初代大統領博物館(カザフスタン)
2015
   女子美術大学付属高等学校・中学校100周年記念 / 上野の森美術館
   個展、ワークショップ / アルマティー国立中央博物館(カザフスタン)
2016
   チェルノブイリ事故30周年-2017年アスタナ博記念-国際芸術家コンクール-3等受賞
   個展「深花」 /アートフェア東京(東京国際フォーラム)
   個展「増殖の行方」/ ルネッサンスホテル・アティラウ(カザフスタン)
2017 アスタナ国際博覧会(ASTANA EXPO2017) / カザフスタン
2019 個展「宝居智子展 –わたしと宙と植物の世界-」 / 銀座三越

本当にやりたいことに気づいたから生まれた

作品でいちばん伝えたいことは愛。

わたしが描く子どもたちは、優しい顔はしているけど芯は強いのです。

守りたいもの“自分の個性や人間性”を大切にする強い意志を表現しています。

この子たちにたどり着いたのは、日本から遠く離れたカザフスタンというところにいた時に、自分の昔を思い出して、本当にやりたかったことに気がついたから。


ちいさいころのわたしは、セーラムーンを見て衝撃を受けたほど、可愛い女の子の絵を描くのが好きでした。だけど、人と話すことがすごく苦手で、まわりからよく思ってもらえないことを気にしていました。


マンガがよくないものとされていた当時の学校では、好きな絵を描くと先生に怒られ、写実的な絵を描くとほめられる。本当はマンガ家になりたかったのに、よく思ってもらうために自分にウソをついて想いを封印してしまいました。


そのあと自然のなりゆきで日本画を始め、モデルや風景を伝統的なスタイルで写生しますが、いつも自分がやりたいものではないような気がしていました。


社会に出て、ますます自分が出せなくなり、みんなからは“いい人”といわれる。
自分はなんなんだろう?と悩んでいた頃、カザフスタンという何も知らないところに行くことになったのです。


最初の印象は、みんなわがまま。
でもそこでは自分の意見を言うのが当たり前で、
空気を読んで話す人なんてだれもいないということだったのです。
それがなぜか心地よく、わたしは自分の想いを大切にすることを学びました。

自分を封印して、モデルさんの着物の柄までも再現する。

それだけだったわたしが今、想いを投影してのびのびとした気持ちで絵を描いています。

見失いかけていた自分を大切に思う愛が、今の作品には表現されてると思います。

アートも自分も大切

アートワークを中心に成り立っている今の私のライフスタイルは、いくら時間があっても足りないくらいですが、心も健康もできるだけ良い状態で作品に向かいたいと考え、いろいろ工夫しています。アトリエでヨガをやるのも、身近で手に入る化粧品でケアするのも、時間が節約される合理性から。


わたしは乾燥性の敏感肌なので、保湿が中心のスキンケアに心がけています。
ずっと使っているニベアクリームは世界中どこでもすぐに手に入るので安心。家中に置いて、気になったらいつも塗る。髪以外全身がこのクリームのこともあるくらいです。保湿クリームとしてたっぷりと使っています。

絵を描く指先は大切です。べた付かずしっとりと保湿されるような感じが好きで使っているのが、ロシア製のオーガニックハンドクリーム“シベリカ”。カザフスタンにいた頃から使っていて甘い香りがどこか懐かしく大好きなのです。

ナチュラルメイクが好きで制作中もしています。
アートワークの合間にときどき鏡を見たり…。
女性として綺麗でいたいと思うのは自然なことだと思いますしね。
メイク自体は気分で時々変わりますが、お化粧落としはずっとこれ。

Shu Uemuraのクレンジングオイル
簡単に落とせて、後肌の程よくしっとりとした感じが肌に優しく感じるので大好きなんです。

自分の想いに正直になることで生まれた今の絵は、自分を大切にすることも教えてくれたように思います。ずっとアートワークが中心の生活ですが、前よりも人として女性として自分を大切にするようになって、心も穏やかに楽しめるようになったと感じます。自分に対する愛が大切なんですね。

 

Photo : Yasuo Yoshikawa

インタビュー・文 : Yasuo Yoshikawa

取材を終えて

After the interview

はじめて宝居智子さんの絵をインターネットで見たときに、絵の中の女の子たちの目が強くて印象的で、その瞬間から大ファンになってしまったのです。ドキドキしながらインタビューを申し込んでみたのですが…。セーラームーンがきっかけだなんて、ちょっとびっくりしつつも、それを語る宝居さんの目をみたら絵の中の女性たちと同じ感じでまたびっくりでした。宝居さんにとってのセーラームーンは、きっと作風の影響というよりも自分の好きなものに対する正直さ、今の生き方の象徴なんですね。大切で大好きなミッションを第一に明け暮れつつも自分の女性も大切に思う。そんなライフスタイルが伝わってきました。2番目だけどそれでも大切な美容の立ち位置ってアリだと思うし応援したいです。
宝居智子さんの作品をギャラリーみたいに集めてそれぞれの思いを添えてもらいました。
ぜひ見てくださいね!

吉川康雄